美容師として雇われていた時はほとんど気にしないのが美容室の経費。
美容室の経費は何があるか?
美容室経営を安定して運営するための安定経費バランスはどうなのか?
このあたりを今回はまとめました
安定経費バランスを把握すれば無駄なストレスは軽減されます。
ぜひご参考になさってください。
美容室の売り上げ
技術売り上げ
カット、カラー、パーマ等の美容室の通常の技術メニューによる売り上げです。
店販売り上げ
シャンプー、トリートメント、ヘアケア、スタイリング剤等商品の売り上げです。
美容室の経費
売り上げ原価
美容室ではシャンプー、パーマやカラーの薬剤、トリートメントといった材料の原価がかかります。
材料仕入れ
シャンプー、パーマやカラーの薬剤、トリートメントといった材料の事です。
店販仕入れ
店販商品の仕入れ値の事ですね。
美容業界では一般的には7掛けが相場となっています。
クレジット手数料
クレジットカードでお会計を行う際は手数料をお店がカード会社に支払う必要があります。
2021年現在では3.24%を相場としましょう。
粗利益
粗利益とは、売上(技術、店販)から
売り上げ原価(材料仕入れ、店販仕入れ、クレジット手数料)
を引いたもののことを言います。
営業経費
営業経費とは、仕入れを除いた事業に必要な費用を指します。
地代家賃
美容室を出店する物件の家賃です。
人件費
雇用するスタッフのお給料になります。
法定福利費
法定福利費とは、会社が負担する、法律で定められた福利厚生にかかる保険料(社会保険料等)の事です。
具体的に、健康保険料・厚生年金保険料・労災保険料・雇用保険料などをさします。
交通費
美容室を経営する上で、打ち合わせやセミナー等様々な名目で移動する機会が出てきます。
その際に支払う交通費です。
水光熱費
美容室運営における水道代、ガス代、電気代です。
セット面5面くらいの小規模サロンであれば3〜5万くらいを目安にしましょう。
通信費
電話やネットを使用する上で必要になるのが通信費です。
1〜2万を目安にしましょう。
広告宣伝費
ご新規様を集客するのに必要なのが広告宣伝費です。
1人のご新規様を集客するのに¥5000〜¥8000かかります。(単価によって違う)
求人広告費
新しいスタッフの求人広告費ですね。
人口減少、美容師の成り手不足に伴い
1人スタッフを雇用するのに諸々のトータル費用が100万かかると言われている時代です。
コンサル、教育費
美容室経営をする上で、様々な情報を取得する事も経営者として大切な仕事です。
コンサル、外部講習等の外部委託で支払う費用になります。
接待交際費
経営者になれば様々な交流が増えます。
そこで使う経費が接待交際費です。
その他
その他の細かい出費です。
小口現金
店内の備品等を買う為の経費です。
営業利益
営業利益とは、そのお店を営業していて最後にいくら利益が残ったのかというとても大事な指標です。
売上から上記の支出全てを差し引いた後にどれだけの利益が残ったか、という数字が営業利益です。
借入返済金
美容室を出店する際に借入したお金の返済です。
独立してからすぐに返済が始まると資金繰りが厳しい為、半年ほどの据置期間をお願いしましょう。
大体7年程で返済期間を設けるケースが多いです。
月別利益
営業利益から借入返済金を引いた数字がその月の利益となります。
美容室の安定経費バランス
さてここからが本題です。
美容室経営において様々な経費があるのはわかったけど、
実際経営するにあたって各経費をどれくらいの%で運営していけば安定した経営が可能なのか?
ここを把握しておかなければ不安でしょうがないですよね。。??
しっかり安定経費バランスを把握しておきましょう。
安定材料費
なんとなく聞いたことがあると思いますが、美容室の材料%は10%です。
この材料費10%という数字ですが、あくまで基本の数字なので小規模サロンはそこまで気にしないでください。
大型サロンになればなるほどこの材料%が1%上がるだけでものすごい数字になりますが、
小規模サロンの1%はたかがしれています。
そのたかがしれている数字を節約する為に夜遅くまでミーティングするよりも
高品質のサービスを高単価で提供する事にリソースを割いた方が勝手に材料%は下がるし
また、圧倒的に利益が出せます。
参考画像)
なので小規模サロンで独立される美容師さんはあまりこの材料費にとらわれすぎないようにしましょう(もちろん把握は大切)
安定地代家賃
家賃は売り上げの5〜10%が理想です。
仮に20坪、家賃20万、セット面5面、の規模で独立出店される場合
1セット面70万と考えると、そのお店のMAX売り上げは350万です。
MAXまで行けば家賃%は訳6%になります。
という事は、この家賃の物件でMAX売り上げまでいけばしっかり利益が残せるお店だという判断ができます。
出店を考えている物件でMAX売り上げを達成したときに
家賃%は何%になるかをあらかじめ把握したうえで独立を検討してください。
仮にMAX売り上げを達成しても家賃比率が10%を超えるようであれば、家賃の比率が高く利益が残りにくいという判断ができます。
ただ家賃%が高い、ということは人気エリア、人気物件の可能性が高いので
求人が取りやすいというメリットもあります。
家賃%は高いけど求人広告費がその分安い、という経費バランスでも問題はありません。
(事前にそのことを把握しておくことが大切です)
安定人件費
美容室の人件費は43%がMAXです。
(法廷福利費も含め)
業務委託サロンであればもっと人件費%を増やす事も可能ですが(保証が無いので)
正社員雇用であればこれ以上人件費を超えてしまうとお店に利益は残りません。
じゃあ43%人件費をフルで設定しても問題ないのか?
ここは売り上げをもたないアシスタントスタッフも込みで全体で考える必要があるので、
そういう意味で給与設定は非常に難しいです。。
『スタッフの環境をよくしたい!』
独立前にそう気を吐いている美容師さんは多くいますが、無い袖は触れないのです。
しっかり安定経費バランスを踏まえた上で給与設定をしていきましょう。
安定広告宣伝費
広告宣伝費は売り上げの6%が基準です。
300万をアベレージであげてる美容室であれば18万が広告費のMAXだと判断できます。
もちろん独立初期は常連客がいないので
広告費%はめちゃくちゃ高くなりますが、それは気にしないで大丈夫です。
あとはスタッフを増員するタイミングで一時的に広告費%を増やしたりの調整ももちろん大切です。
重要なのは今の広告費%をきちんとご自身でコントロールできているかどうかです。
数字はあくまで基準なので、基準を把握した上でコントロールできるようになるのが理想ですね。
また、広告費を減らす事で利益を出しやすくする事も可能ですが、それには再来率が密接に関係してきます。
広告費を削減したい方は再来率と広告費の考えをきちんと理解しましょう。
まとめ
雇われ美容師時代は知らなかった美容室の経費。
実際に独立して美容室を経営していくうえでこれだけの経費があるという事をまずは把握しておきましょう。
その上でそれぞれの経費%をどのくらいで設定すればいいかの安定経費バランスを知っておくと
無駄なストレスがなくなります。
美容室経営者に求められる能力は多々ありますが、一番大切なのはメンタルです 笑
売り上げを上げる能力とか、
経営センスとかよりもメンタルが大事なの!?
独立するくらいなら美容師として売り上げは上げられて当然だよね!
経営センスはあった方がいいけど、学びながら後天的に身につけていけるよ!
一番大事なのは、いい時も悪い時も一喜一憂しないようにするメンタルだよ!
精神状態を安定して保つ為にも、今自分が行なっている経営が安定しているかどうかを知っておく事はとても重要です。
独立はあくまでスタートなので、独立した後に長期繁栄できるよう安定経費バランスをしっかり理解しておきましょう!
安定経費バランスを把握すれば利益は出しやすくなりますが、利益を生み出す重要なポイントは他にもあります。
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